同じ質問に、今日も答えた。明日も、きっと別の人から来る。
LLMを活用した外国人社員向け社内規程検索とは、整備済みのルール文書を母国語で即座に引き出せる環境をつくることで、「聞いたほうが早い」という繰り返し質問を構造的に減らす仕組みです。
ルールの明文化に取り組んだ。就業規則も、業務手順も、外国人社員向けに母国語で解説するコンテンツも作った。それ自体は大きな前進です。
ところが、ルールが充実すればするほど、新しい問題が生まれる。文書の量が膨大になりすぎて、「どこに書いてあるか」がわからなくなる。
「有給の申請ルールはどこですか?」「遅刻の連絡は誰にすればいいですか?」「出張の経費精算はどのフォームですか?」——一つひとつは単純な質問です。答えはどこかに書いてある。でも、数十ページ、数百ページの文書から該当箇所を探し出すのは、日本語ネイティブでも手間がかかる。まして母国語が違えば、なおさらです。
結果、「聞いたほうが早い」に戻る。ルールを整備する前と同じ光景が繰り返される。
管理者の時間が奪われるのは、ルールが整っていないからだけではない。整っているのに「探せない」ことでも起きる。人によって日本語の理解度が違うから、説明にかかる時間もまちまちです。「ここを読んでね」と案内するだけでも、相手の理解度を確認し、補足し、結局10分、15分と取られる。