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ベトナム進出の手続きについて

法人設立、労働許可証、ビザ、銀行口座、住居、学校——
ベトナム進出に必要な手続きは、想像している以上に多い。
しかもその情報は、調べてもなかなか見つかりません。

ベトナム進出にまつわる申請手続き

ベトナムに進出すると、ビザ、労働許可証、法人登記など、さまざまな申請手続きが必要になります。こういった役所への申請手続きは、基本的には外国人にとってストレスのかかるものです。

まず申請の仕方がわかりません。ベトナム人がベトナム語のWebページを見てすら、はっきりよくわからないケースがあります。外国人なら、そのページにたどり着くのすら困難でしょう。

私の妻が、私のためにとある申請を行うため、相談窓口に行ったことがあります。担当者は突然声を荒げて怒ってきました。Webページを見てもわからないから質問しているのに「Webページを見ろ」と。しかも「申請窓口」ではなく「相談」専用窓口です。苛立っているレベルではなく、明らかに怒っていました。妻はなめた態度をとったわけでも、しつこく質問したわけでもありません。最初からいきなり声を荒げてきたのです。

まず最初にみなさんが気にするのは滞在許可(在留許可)でしょう。ベトナムで滞在許可申請を扱っているのは入国管理局です。どこの国の入管も、外国人になめられないように威圧する姿勢を保っています。無愛想なのは当然として、最初から苛立っていたり、声を荒げてくる担当者すらいます。

さらに難しいのは、担当者によって言うことが違うケースがあることです。「この書類も必要」と言われて再提出のために再度赴いたら、「それは要らない。それよりこの書類をよこせ」と。何度も違うことを言われるのは日常茶飯事です。

ベトナムの役所手続きは日本のように明確化されていません。地区ごとに運用が大きく異なる場合もあり、他の日本人の体験談が当てにならないこともあります。役所ごとの事情、その場の空気を読む力が求められます。ベトナム人であっても、入管の空気を読めなければ担当者の感情はわかりません。自分自身や社員の精神衛生を保つためには、こういった手続きを専門とする代理店に依頼する方がいいかもしれません。ただし最近はオンライン申請が充実してきたので、窓口で怒鳴られるケースは減ってきた可能性はあります。

ベトナム進出で必要になる手続きの例

ベトナムでは、外国人や外国企業が法人を設立すること自体が「投資」として扱われます。日本では内資も外資も同じ手続きで法人を設立できるようですが、ベトナムでは投資法に基づくIRC(投資登録証明書)と、企業法に基づくERC(企業登録証明書)の両方を取得しなければなりません。しかもIRCの申請にはオフィスの住所が必要です。会社がまだ存在しない段階でオフィスを借りなければならないという、順序の問題が生じます。

駐在員を送り込む場合も手続きは多岐にわたります。ビザ(入国のための査証)、労働許可証(就労のための許可)、一時在留カード(長期滞在のための許可)はそれぞれ別の許可であり、それぞれ別の当局に申請します。労働許可証の取得には約2ヶ月かかり、その間パスポートが預けっぱなしになるケースもあります。また日本で用意する書類(卒業証明書、無犯罪証明書など)は、公証役場・法務局・外務省・ベトナム大使館と何段階もの認証を経なければベトナムでは使えません。

個人の銀行口座は、労働許可証か在留カードがないと開設が困難です。社会保険も、同じ会社の中でもベトナム人と外国人は別々に申告・納税する必要があります。

駐在員の家族が帯同する場合には、子どもの学校(日本人学校はハノイとホーチミンにしかありません)、住居の安全性(防犯・防火・水質の基準が日本とは異なります)など、仕事以外の面でも調査と判断が求められます。